【5分でわかる】SDGsとは 17目標と生活への影響を解説

こんな方におすすめ

  • SDGsとは一体なんなのか、17のゴール(目標)内容はどんなものか知りたい
  • SDGsが庶民の生活にどんな影響があるか知りたい

SDGsって言葉を耳にしたのですが、よくわからないんだよね。
悩みマン
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UESHO
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SDGsは2015年9月に国連で採択された「持続可能な開発目標」のことです。

とはいえ、この言葉でもいまいち理解できないと思うので、かみ砕いて説明していきます。

目次

SDGs(エスディージーズ)とは”2030年までに解決すべき17の目標”

SDGs 工場

貧困や飢餓、環境汚染、ジェンダー、インフラなど世界中には様々な問題が溢れています。
そんな問題を解決するため、2015年9月国連サミットで決めた共通目標がSDGs(Sustainable Development Goals)です。

このサミットでは、2030年までの開発指針として「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、この文書の中核を成す「持続可能な開発目標」をSDGs(Sustainable Development Goals)と呼んでいるのです。

SDGsは17 のゴール(目標)と、それを具体化した 169 のターゲットで構成されます。
その17のゴールと169のターゲットを2030 年までに解決していくというのがSDGsの全体像です。

SDGs採択までの流れ

SDGsは、2,000年に採択された「2015年までの目標:MDGs(ミレニアム開発目標)」8つの目標を引き継ぐ形としながら、MDGsで問題点とされていた視点が盛り込まれています。

MDGsは極度の貧困・飢餓の撲滅など、8つの目標で構成されています。

MDGs 8の目標

  1. 極度の貧困と飢餓の撲滅
  2. 普遍的な初等教育の達成
  3. ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
  4. 幼児死亡率の引き下げ
  5. 妊産婦の健康状態の改善
  6. HIV/エイズ、マラリア、その他の疫病の蔓延防止
  7. 環境の持続可能性の確保
  8. 開発のためのグローバル・パートナーシップの構築

見ていただくとわかる通り、MDGsは途上国の問題を、先進国が援助し解決していくという位置付けだったため、途上国の問題に重きが置かれ、経済・環境などの目標の数が不十分との指摘がありました。

そこで2012年6月に開催された「リオ+20(国連持続可能な開発会議)」で、MDGsの後継目標は、経済・社会・環境の3側面を包括的に考慮することを決めました。
その流れを汲んだSDGsは、先進国も援助する立場からプレイヤーとして課題に取り組む立場になったのです。

SDGs 17のゴール(目標)

SDGsの目標は、MDGsを8目標を引き継ぎながらも経済・社会・環境の3側面を包括的に考慮した17目標です。

SDGs 17のゴール(目標)

  1. あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
  2. 飢餓をゼロに
  3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
  4. すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
  5. ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
  6. すべての人々に水と衛生へのアクセスを確保する
  7. 手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する
  8. すべての人々のための包摂的かつ持続可能な経済成長、雇用およびディーセント・ワークを推進する
  9. レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る
  10. 国内および国家間の不平等を是正する
  11. 都市を包摂的、安全、レジリエントかつ持続可能にする
  12. 持続可能な消費と生産のパターンを確保する
  13. 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
  14. 海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
  15. 森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
  16. 公正、平和かつ包摂的な社会を推進する
  17. 持続可能な開発に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する

そしてこの17目標をさらに細かくした169のターゲットがあります。

これは、17目標を具体的にどう解決していくかというもので、17目標それぞれを補填しています。
ゴール(目標)のひとつ「1.あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」のターゲットについてみてみましょう。

SDGs 【1.あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ】ターゲット

1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。
1.3 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
1.a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
1.b 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。

ゴール(目標)の段階だと漠然としており、なかなか気づけませんが、ターゲットまで落とし込むと具体的に何をすべきかが見えてきますね。

そして、ターゲットまで落とし込むと気づくことがありませんか?

それは、SDGsのターゲットは、政府や企業だけが何らかの取り組みをすれば良い訳でなく、私たち民間の協力が必須だということです。

例えば、上の例【1.あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ】のターゲット1.4をみてみましょう。

1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、全ての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。

ここには、「基礎的サービス」という言葉がありますが、これ一般的な生活における最低限のサービスを指すと考えられます。
それは例えば通信・インターネット、または移動手段なども指すかもしれません。

これがMDGsとSDGsの大きな違いで、民間企業(つまり私たち)も他人事ではないのがSDGsです。

SDGsへの注目が集まる分野

国連・政府主導のSDGsですが、どの程度推進されているのでしょうか?
正直なところ、まだまだ不十分な点が多いようです。

国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)は、世界のSDGs達成度ランキングを発表しました。
日本は162カ国中15位。ジェンダー平等や責任ある消費・生産、気候変動対策、パートナーシップに大きな課題があると指摘されました。(1~5位はデンマーク、スウェーデン、フィンランド、フランス、オーストリアの順)

現在、G20および人口が1億人以上の43カ国の中で、SDGsの達成に向けて動くことを国として公式発表しているのは33カ国で、予算案に盛り込んでいる国は18カ国しかないよう。まだまだ動きとしてはこれからのようです。

ESG投資

一方で、SDGsに積極的な分野もあります。それが投資の分野です。

SDGsに深く関わる「ESG投資」という投資があります。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったもので、「売上高・利益」といった数字的な観点だけでなく、「環境・社会・企業統治」といった非財務情報の観点を重視して投資対象を見極めるのがESG投資です。

つまり、「売上高・利益」の短期的な観点ではなく、「環境・社会・企業統治」の中長期的な企業価値を重視するような時代になったということです。
例えば、本年売上10億を目指す企業よりも、現状売上がほぼゼロでも、CO2排出量を半分にする仕組みを開発した企業の方が評価される場合があるということです。

ESG投資の推移

ESG投資が拡大するということは、環境や社会のために活動する企業に注目が集まり、資金が流れることを示唆します。

欧州(ドイツやフランス、英国など13カ国)と米国、日本、カナダ、オーストラリア・ニュージーランドの世界主要5地域の業界団体の調べに基づく「世界持続可能性投資報告」が2019年4月に発表されましたが、ESG投資の運用残高が初めて30兆ドル(約3350兆円)を突破したことがわかりました。

出典:日本経済新聞

また、グリーンボンド(Green Bond)という、地球温暖化対策や再生可能エネルギーなど、環境分野への取り組みに特化した資金を調達するために発行される債券の注目も集まっています。

2012年のグリーンボンド発行額は31憶ドルだったものの、2017年には1,500憶ドルと約50倍に拡大しており、その注目度の高さがうかがえます。

この流れは、世界的にSDGsへの注目度が高まり、お金が流れてきていることを意味します。

私たちへの影響

個人の生活には現段階ではインパクトはありませんが、会社は仕事には影響がある可能性があります。

先ほども書いた通り、世界的には投資家がSDGsへの注目度を高めている背景もあり、SDGsに力をいれている企業が評価されやすい時代になっています。

言い換えるならば、社会全体や環境全体のことを考えている企業が評価されやすくなったということです。

つまりは、あなたの務める会社がSDGsに”本格的”取り組んでいるのであれば、金融機関や投資家からも出資してもらいやすく、取引先からの印象もよくなります。
裏を返せば、全く逆の話になるわけですね。

自分たちの生活には何ら関係ないと、傍観しているのも自由だと思いますが、個人でも出来ることを模索してみるのは如何でしょうか?

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