All In Communityのチャレンジ部の活動の一環で「滝行体験」を行いました。
この記事は、滝行体験の様子をレポートしています。
正直軽い気持ちで行いましたが、とても辛い体験でした。しかし、モヤモヤしていたものがスッと無くなったので、悩みごとがある人にはかなりおすすめです!
AICのチャレンジ部は、「やったことがないけれど、やったら面白そうなこと」に挑戦することを目的として発足した活動です。毎月1回、新しいことにチャレンジすることを目標に活動しており、今回はその一環で「滝行体験」を行いました。
滝行の様子は動画にもまとめているので、是非参考にしてください。
それでは、本編をどうぞ!
滝行の体験
今回は、東京都西多摩郡にある「真言宗 天光寺」さんで体験修行を行いました。
通常は泊まりの1日修行体験を行っているのですが、現在はコロナの影響もあり、半日の修行体験のみ開催しています。
修行は12時~17時までとボリュームのある内容で、滝行の修行だけでなく挨拶や呼吸法の練習、お百度参りも行います。
私たちが参加した日は、16名の参加者がいて人気が高いことがわかります。
金額は5,000円です。体験者からすると、非常に安いと感じます。
修行のスケジュール
まず12時頃に寺の本堂に集まり、「修行・体験修行申込書」を記入します。
「修行・体験修行申込書」には、修行の目的も記入するため、改めて自分がどんな目的で参加したのかを可視化することができます。
その後、簡単な体験会の説明を受けて、修行へと移ります。
白装束に着替えてから本堂に再集合です。
本堂での修行
本堂の修行は、腹式呼吸の呼吸法練習、声出しの練習、仏様への練習をだいたい1時間程度行います。
目を閉じて腹式呼吸を行うことで、リラックスして雑念や悩みから開放される瞑想状態にはいります。
数字を数えながら鼻から息を深く吸い、お腹にためた空気を口からゆっくり吐くことを10分程度繰り返すと、うまく瞑想できるようになります。
その後、「般若心経」などの経を読みながら、声出しと仏様への挨拶の練習です。こちらは30分程度行います。
「般若心経」は、お葬式や法要などで読まれることの多い有名な経で、「自分で考えて彼岸(悟りの境地)に至るための大切な教え」、つまり人々が自ら考えることで、この世の苦しみから救われ、悟りの境地へと導かれる教えが書かれています。
本来600巻もの教えを約260字にしている現代語訳の「般若心経」を唱えて、自分の心と向き合います。
お百度参り
本堂の修行を終えると、外にでてお百度参りを行います。
だいたい10mの石畳の上を、裸足で走りながらお参りします。
お参りは、真言宗の「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」という弘法大師空海に帰依するという意味のお経を唱えながら行います。
本来は、煩悩の数の108回お参りするものらしいのですが、本体験では15分近く走りました。
お百度参りは、他人に対する祈願を行うもののようで、家族の健康や仕事などを願う人が多いようです。
本来よりも時間が短いぶん、一回一回丁寧にお参りすることが大切です。
滝行
お百度参りを終えると、天光寺から近くの滝へ移動し、いよいよ滝行を行います。
参加日は、3月後半で気温18度・水温11度前後と、まだまだ十分寒い気候です。おまけにパラパラと雨も降っていたため、肌寒く感じました。
滝行は各人3分程度で行います。
入水してすぐ滝に打たれる訳ではなく、山の神様と、滝の神様に挨拶をして、身を水で清めます。
その後、頭から桶一杯の水をかぶると、あまりの寒さに呼吸が大きく乱れてしまいました。
そこからが本番です。
滝の下に移動して、いよいよ滝に打たれます。
滝に打たれるときは「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と唱え続けます。
はじめは、滝が首裏に当たる位置で「南無大師遍照金剛」を唱えます。
30秒ほどすると、滝の深い位置に移動して「南無大師遍照金剛」を唱え続けます。
そこまで移動すると、周りの声はほとんど聞こえず、水の音と自分の呼吸音、自分が大声で唱える「南無大師遍照金剛」だけしか聞こえません。
無心になり呼吸を整えないと、一気に呼吸が乱れてしまい、まともに呼吸ができなくなってしまうほど非常に辛い時間でした。頭上から打ち付ける水も、頭を殴られているような痛みを覚えます。
更に1分ほどで、滝の下に座り胸の位置まで水に浸かります。
更に呼吸が乱れて、深く呼吸をしないと今にも溺れてしまいそうな感覚です。
雑念や煩悩を考える余裕はまるでなく、自分の呼吸とお腹の底から出す「南無大師遍照金剛」だけに集中します。
3分後には、まともに歩けないくらいフラフラになっていました。
滝行を体験してみた感想
テレビやYoutubeで、滝行を見た方はどんなイメージを持っているでしょうか?
私はけっこう楽なんじゃないかと思っていました。
正直、すごく軽い気持ちで当日を迎え、直前まではなめていました。
しかし、いざ体験してみると想像の100倍辛い3分間でした。
呼吸が乱れる水の冷たさに加え、上から殴られているような痛みを感じるほどの勢いで水が流れてきます。
寒さと痛み、呼吸がまともにできない状況で、肉体的にはかなり追い込まれました。
ただ、滝行の経験は人生において非常に価値のある経験だったといいきれます。
呼吸に集中して、お腹の底から声を出していると、雑念や煩悩が身体から落ちていっているような感覚があります。
無の境地となって心を静寂にして、自分自身と正面から向き合うことができ、滝行後には、肩の荷がスッと下りた感覚があります。
滝行は、想像以上に心身の鍛錬になります。モヤモヤしているものを抱えている方や、道に迷っている方は、是非一度挑戦してみることをおすすめします。
最後に、神職さんから頂いた言葉を記して終わります。
「滝行に立ち向かい、やり抜いたことは敬意に値します。生活では様々な苦労や困難がありますが、辛い滝行をやり抜いた体験を思い出して乗り越えてください。それでも、もし道に迷ったら、辛い滝行に再び立ち向かってください。」